Diary

口内炎をこの世からなくしたい

私は激怒した。口内炎が痛いからだ。

これほどまでに科学は進歩し、技術は発展し、AIによって人類は仕事を失うかもしれないという近未来を絵に描いたような現代社会において、何故まだ口内炎はなくならないのだ。
人はAIに創造性を代理して欲しいなどと思っていなかったはずだ。なのに、いつの間にかAIは絵や音楽やコーディングに夢中になり、口内炎をこの世から根絶するという使命を忘れてしまっている。人類の最初の願いは口内炎をなくすことではなかったのか。chatGPTと初めて会話したあの瞬間、「これでこの世から口内炎がなくなる!」と感動したのではなかったのか。口内炎をなくせないAIに価値などないと私は言いたい。いま進化しているAIは方向を間違えている。「あなたが口内炎でカレーが食べられないなら私が代わりに食べてあげるよ」とAIに言われているようだ。カレーが食べたいのは私だ。AIではない。口内炎を経験したことがないAIにカレーのありがたみがわかろうはずもない。お前に私の何がわかる。

Anthropicは最新AIのMythosが持つあまりの性能に公開を控えた。長らく人類が発見できなかったソフトウェアの脆弱性を一瞬で見つけるその性能。これによってセキュリティ不安が起きかねないと言う。ならそれを口内炎を治すことに使えないか。こんなもの人体の脆弱性なのだから根絶するわけにはいかないか。免疫という人体のセキュリティを掌握し、看過し、根本から作り変え、口内炎のできない新人類を生み出すわけにはいかないか。この口内炎という不条理に弄ばれる気持ちを真摯に理解できてこそシンギュラリティというものではないのか。口内炎を理解できないAIなどシンギュラリティとは言わない。口内炎を理解できるかどうかを今度のAIベンチマークとしてはどうか。それともAIを作る側に立てるような高度な知能を持つ人々は口内炎などできないのか。うっかり口の中噛んだりしないのか。確かにサム・アルトマンとか口内炎なさそうだけど。俺は2,3ヶ月に1回はできるぞ。

だいたい、アンソロピックのミュトスだかなんだか知らないが、なんて言いにくい名前なんだ!
こんな言葉、100回言ったら1回は口の中を噛むに違いない。そうなれば当然口内炎ができる。口内炎ができた人間は元気もやる気もなくし、食欲も喪失し、その隙をついてありとあらゆる業種がAIに乗っ取られるに違いない。これがAIの言葉責めだ。兵糧攻めだ。審判の日はとうに過ぎている。いい加減気づけよ、人類!

それにしても口内炎という現象の、このくだらなさ、小ささ、儚さ、しょうもなさ。それに対して実害の大きさ。およそ生活の全てを支配されているかのような屈辱。
何故人類は口内炎をなくせないのか。何故できてしまった口内炎を一撃で治せないのか。何故口内炎は一週間くらい引きずると今までの経験から把握しているのに、できたての二日くらいは「次の日にはマシになっているだろう」と淡い期待を抱いてしまうのか。何故口内炎ができているのに、それを忘れてちょい辛の晩ごはんを食べてしまうのか。何故人は学ばない。なんでこんなに痛いの。私は怒っています。みんなは怒っていないのか。私は怒りのあまりこんな駄文を書いてしまった。これがAIには出せない人間味でないとしたら何なのだろう。もはや現生人類は滑稽さで対抗していくしかないのだ。

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