この世界に未だある幾つもの前線について(チェリーブロッサムフロントに関する駄文)

  • date : 2025-03-22
  • category : Music

3年前にチェリーブロッサムフロントという曲を書きました。
指し示す内容は、言わずもがなですよね。
どうしても唄にしたかったから。唄にしないと嘘だと思ったから。
だから、この曲を書きました。
でも、伝えたい気持ちが先走って、拙速に終わってしまったと後悔しました。
ただ乗っかって、安易に時事ネタのように消費する、そういう薄っぺらいやつになってしまったんじゃないかと。
そう思われてもしょうがないと思います。そういう出来だったと強く反省しています。
綺麗事や理想は、難しいですね。なるべく明るい唄を、いつでも作りたいのだけれど。

あれから3年。もう3年。目を覆いたくなるようなニュースに慣れることはないのだなと思います。
過負荷、ハローモンスター、境界遊戯。暗いテーマの曲をたくさん書きました。
元来根暗な自分だけど、どうしても誘発されてしまって。
絶望なんてちゃちな言葉だけど、そういう気持ちは膨らんで、誰かに聞いてほしくて。
だけど、そういう醜さと向き合って、特に境界遊戯を書いたとき、それを核にしてアルバムができそうだと思ったとき。
そのアルバムにチェリーブロッサムフロントを収めることで、ようやくちゃんと響くんじゃないかと思えました。
以前に公開したときに比べてミックスやマスタリングの腕が上がっていることもあります。
が、それだけじゃなく、山本いろはという名前で出した曲たちで、そしてアルバムで、この曲の説得力が少しでも増していてくれたらいいなと思います。

「世界が平和でありますように」なんて幼稚な願いかもしれないけれど。
大きな声で言ったら笑われるかもしれないけれど。
そんな言葉に見合うだけの人生を自分が歩んできたとも思えないけれど。
相変わらず嫌いな人もいて、ムカつくこともあって、苛立って、雑にぶつかることだってあるけれど。

叶えたいという気持ちは、ないと言ったら嘘になる。
叶えたくないなんて、どうして思えるだろう。

叶える方法があるとしたら、近づく一歩があるとしたら、自分にできることがもしあるとしたら、目の前の大切な人の手を握ることくらい。
そういう小さな奇跡を伝って、今年も、来年も、この先ずっと綺麗な花が咲きますように。