将棋ウォーズで初段になるためにやったこと
- date : 2024-10-31
- category : Game
はじめに
3年ほど前に藤井聡太さんのブームに煽られて将棋の勉強を始めた。
特に羽生善治さんが会長に就任されたタイミングで署名入りの免状が欲しくなり
本気で初段を目指し始めた。
半年ほど前 に無事に将棋ウォーズ初段を達成し、先日免状が届いたので
これを期に勉強法などを振り返っておこうと思う。
将棋ウォーズを通して免状取得を目指す方の参考になれば幸いである。
結論を先に書くと
- 自分が主導権を握ることのできるマイナー戦法を使う
- 座学は終盤に絞って勉強する(「寄せの手筋200」など)
これはあくまで最短で将棋ウォーズ初段を目指すことに絞った対策なので
将棋の地力をつけたい場合は遠回りせずじっくり学ぶほうが当然良い。
自分のスキルについて
自分が将棋を始めた時のスキルは以下の通り
- 駒の動かし方などルールは知っていた
- 戦法はかろうじて棒銀がわかるくらい
- 囲いは全くわからない
- 矢倉なんて複雑すぎて覚えられない
ここから約3年かけて初段を達成した。
初段到達した時には将棋ウォーズの対局数は2500局を越えていた。
その他詰将棋などの座学も行っていたので、明らかに時間がかかりすぎている。
これだけでも自分には将棋の才能はおよそ皆無であったことが伺える。
そんな自分でも初段になることが出来たので、
以下に記載する考え方には一定の再現性があると考える。
将棋ウォーズで勝つためには
当然だが、一般的な将棋の勉強法を地道にこなすことで棋力は上昇する。
(毎日詰将棋を解く、定跡を勉強するなど)
実際、自分も将棋を始めたての頃は右も左もわからないため、地道に勉強していた。
だが、ある程度上達した時点でどうしても効率が落ちてくる。
そこから将棋ウォーズ初段になることだけを考えるのであれば
傾向と対策を考えることが肝心である。
将棋ウォーズの級位者環境には以下の3つの特性がある。
1. 切れ負けというルールの特性上、敗勢だから投了するということが少ない
- 詰みさえしなければ時間で勝てる可能性があるため
- 秒で囲いに駒を打ち込んで粘るみたいなことが発生するのは必然
- これじっくり考えれば絶対寄るはず、では切れ負けしがち
- 焦らず、しかし迅速・丁寧に、寄せて詰ませる終盤力が大事
2. 定跡通りの展開になることはほぼない
- 自分はもちろん相手も定跡を知らない
- 明らかに成立してない棒銀など、はちゃめちゃな将棋が横行している
- 中村太一 さんが10分研究で「こんな人いないでしょ」とツッコむやつ
- 自分の体感だが、級位者はこんな人が7割くらいは占めてる
- そして受ける方も受ける方なので成立してないのに潰れることも多々ある
- だから貴様らは級位者なのだ、と言われたらぐうの音も出ないが……
- 出会う確率の低い局面を勉強するのはどうしても効率が悪い
- ならば開き直って自分も無理攻めしてやろうという気持ちを持つ
3. レーティングと直近勝率によるマッチング
- 直近の勝率が5割に収束するようにマッチングされている
- 高い勝率をキープすると格上に当たる傾向がある
- 逆に勝率が落ちてくると格下と当たる
- 達成率の増減自体は相手とのレート差で決まると推測される
- 達成率を大きく上げるには格上に一発入れることが重要
- 安定して勝率5割5分をキープしても達成率はそこまで上がらない
- 安定感に欠けてもいいので上振れを狙うと昇段のチャンスが増える
- そのためには格上相手にメジャーな戦法でがっぷり四つに組むのは避けたい
- マイナー戦法を用いて相手の知らない局面を作りワンチャンスを狙おう
結論
上記を踏まえて前述の結論を振り返る。
- 自分が主導権を握ることのできるマイナー戦法を使う
- 激しい展開に持ち込む
- 「自分は知っているけど相手は知らない」が理想
- 座学は終盤に絞って勉強する(「寄せの手筋200」など)
- 優勢・勝勢を勝ち切る地力が必要
- 有利な局面から切れ負けしないこと
マイナー戦法って具体的に何?というところだが
自分が今愛用している戦法と近いものをYouTubeで探すのがよいと思う。
たとえば自分なら四間飛車を使っていたので
その延長線上で激しい展開になる角交換振り飛車
(やばボーズ流・ゴリゴリ金など)
を勉強した。
当然、相手が角交換を拒否して思い通りの展開にはないこともあるが
その際はオーソドックスな四間飛車にすればよい。
これなら今までの勉強も活きてくる。
やらない方がいいこと
何度もしつこいが、前述の結論はあくまで将棋ウォーズ初段に絞った方法である。
基本的には将棋の上達に近道はなく、地道な勉強が実を結ぶ世界だと感じる。
ただ、その中でも確実に「これは遠回りだった」と感じることはあった。
ひたすら将棋ウォーズで対局する
- 2500局ほど指したが意味がなかった
- 凡人が対局しまくったところで何の成果も得られなかった
- 級位者の切れ負けはほとんど読まずに指しているだけ
- ちゃんと深く読めば実戦の繰り返しでも棋力向上しそうだとは思うが
- 真面目に考えていると時間で負けてしまう
- それなら将棋ウォーズじゃない方がいい
- 対局後に振り返ることも難しい
- AIの示す最善手は級位者には難解すぎる
- 評価値もAIが最善を指した場合の値なので、級位者目線では参考にならない
- 21手詰めがあるので勝ちでした、と言われても困る
将棋ウォーズで勝ちたいのであれば将棋ウォーズをやりすぎないことが大事。
もちろん日々の楽しみとして将棋ウォーズで対局することは否定しないし
将棋ウォーズを封印したことで将棋に触れない日が発生するくらいなら
たとえ効果は薄くとも指した方が棋力向上につながるのは間違いない。
棋神を使う
- プレミアムに加入しているとわりとすぐに棋神が溜まっていく
- 「要所で棋神を投入すれば連勝してあっさり初段いけるのでは?」と思った
- 使ってみた結果、棋神は1個使った程度じゃ言うほど勝てない
- 悪くなってから使っても5手じゃそうそうひっくり返らない
- かと言って早く使いすぎると何も起きないで終わる
- 何か具体的な妙手がありそうなところで使わないといけない
- それがわかれば苦労しない
- 優勢の終盤で使えばよいのではと思ったが、それはそれで怪しい
- 終盤の棋神には以下の特性がある
- 寄せがあるときは駒損しても最短で攻める
- 詰みがあるときは駒を全部捨てて最長手順で詰ませにいく
- 結果、級位者目線で見るとかえって状況が悪化していることも
- 終盤の棋神には以下の特性がある
- 余っている棋神を使う場合はアヒル戦法に使うと効率がよい
- 手待ち・駒損上等の戦法に対して棋神は力を発揮しやすい
- 大駒を切ってきたら即座に棋神発動するとみるみる良くなる
- アヒル相手なら正義の棋神使っても許されるだろ、みたいな精神もある
おわりに
赤本解きまくって無理やり入試に通るみたいな話で
何がなんでもウォーズ初段になりたいのなら
恥も外聞も捨てて傾向と対策を練ると効果があった。